オードリー・ヘプバーン の不朽の名作といえば「ローマの休日」だ。 その中にはいくつもの名シーンがあるのだが、「真実の口」の場面は 懐かしい。グレゴリー・ペックが演じる新聞記者ジョーがアン王女にロ ーマの街を案内する。
「真実の口」の中に手を入れ、「うそつきは手が抜けなくなる」と言いな がらジョーは迫真の演技をする。王女はそれが本当だと思い、恐怖の あまり叫び声を上げて失神しそうになる。
愛らしいヘプバーンの演技に誰もが胸をときめかせた。
それ以来「真実の口」があるサンタマリア・イン・コスメディン教会はロ ーマ有数の観光名所になった。
ことし2月ローマを訪れた時訪ねてみたが、延々と長い行列が出来て いた。ここでも中国人のカップルなどが多かった。
我々老夫婦もお互いに手を口の中に入れ、ちょっと恥ずかしげに写真 を撮った。行列が長いのでシャッター1回が暗黙のルールになっている。
「真実の口」というともっともらしいが、古代ローマの時代にはこれは下 水溝の蓋に使われていたということだ。
古代から現代にマンホールの蓋も華麗な変身をしているわけだ。 |