ウラナミシジミ |
父親は日清製粉の正田英三郎氏だった。閑静な住宅街は
今も穏やかな佇まいを見せている。
美智子さまはここから宮中にお輿入れされた。
ご実家は今は取り壊され、ねむのきの庭と名づけられた小
さな公園になっている。千日紅やロシアンセージ、カクトラノ
オ、マリーゴ-ルドなどの花が咲き乱れる美しい公園だ。
両陛下はことし4月、ご成婚50年を迎えられた。50年前の
あの日のことを美智子さまも懐かしく思い出されたのではな
いだろうか。
ねむのきの庭に咲く千日紅にウラナミシジミが何頭も舞って
いた。
昔、正田邸の庭だった時も毎年秋になるとウラナミシジミは
やって来ていたのだろうか。
いや、今日と同じように秋の日差しを浴び、穏やかに舞って
いたに違いない。若き日の美智子さまもウラナミシジミに目を
止め蝶の美しさに心ときめかせられたことだろう。