ヒメギフチョウ |
もうすぐスズランがいっせいに花をつけるし、高山植物も咲き始
める。
ヒメギフチョウの発生地としても名高い。昔は頂上近くに広がる
牧場にもいたが、いまはあまり見かけることはなくなってしまった。
だから、入笠山のヒメギフチョウと会うためにはかなりの林道歩き
が必要だ。車で入る人も多いが、ことしは林道の崩落がひどく、牧
場から先は交通止めになっていた。
林道をてくてく歩き、目星をつけてまた、わき道に入ってみる。
一日で20キロは歩いたろうか。
それでも林道には越冬したキベリタテハやエルタテハ、スジボソヤ
マキチョウが多く、時間が経つのを忘れるほどだ。
やがてぽつぽつとヒメギフチョウが現れる。
この山はこの時期、まだ、スミレぐらいしか咲いていないので、ヒメ
ギフチョウはスミレの花にやってきては吸蜜する。
林道歩きで疲れた体もヒメギフチョウの姿を見ているうちにどこか
へ吹き飛んでいくのだった。