ベニヒカゲ 湯の丸高原 |
ベニヒカゲに会いに新幹線とバスを乗り継いで湯の丸高原に行って来た。
連日の猛暑で妻も「ひとりで大丈夫?」と心配顔だった。
夏休みに加え、日曜日とあって、金沢行きの「はくたか」は満員だっ
た。東京駅から乗ったので座れたが、上野、大宮と座れない人が増え、
通路に50人以上が立っていた。
わざわざ日曜を選ぶことはないのだが、湯の丸高原行きのバスが土、日
しかない。おまけに佐久平発は9時40分と遅い。地蔵峠に着くのは10
時40分で、もうベニヒカゲの吸蜜タイムは終わりかけている。
バスを降りてゆっくり登って行く。高度を上げるとベニヒカゲが目の前に
現れた。なかなか止まってくれない。目を凝らして藪の間を追いかける。
敏捷でスピードをあげて逃げて行く。
これがもっと早い時間なら、花に止まったり、太陽をあびてゆっくり翅を
開いてくれるのになあ。でも、仕方がない。青空の下、ベニヒカゲに会え
る幸せを噛みしめよう。あちこちから飛び出すベニヒカゲを追いかけてい
るとやっと止まってくれた。
その時目の前を黒い蝶が横切って行った。少し先に止まった蝶を見ると
クジャクチョウだった。もうボロだがヒョウモンも元気に飛んでいる。
アサギマダラもあちこちに見られた。もう渡りを始めているのだろうか。
これから長い旅が始まるのかな。
ミヤマシロチョウやミヤマモンキチョウの季節には何度か湯の丸高原を訪
れているが、ベニヒカゲのこの時期もいい。もう少し季節が進んでマツム
シソウにクジャクチョウが群れている風景も素晴らしい。ベニヒカゲも夏
の終わりまでまで生き残っているだろう。
もう少し登って林道に入ってみた。こちらはベニヒカゲの姿が見られなか
った。
バスで登って来るとき、山の上は厚い雲で覆われていた。ちょっと心配だ
ったが山の上は時々青空がのぞいて良い天気だった。ベニヒカゲは日が射
すと活発に活動し、陰るとパタッと活動が止まる。しかし、きょうは気温
が高すぎるのか、午後1時半を過ぎると急速に活動する個体が少なくなり
木陰にもぐってしまった。
観察時間は短かったが、それでもベニヒカゲに会えてうれしかった。
そういえばこんなこともあった。
少し疲れて、岩に座ってサンドイッチを食べていた。するとどこからかヒ
メキマダラヒカゲが飛んで来て、僕の手に止まった。しばらく僕の顔を眺
めた?後、チーズとハム、レタスのサンドイッチの方に歩いて行き、食べ
始めた。すごく可愛かったので、そのまま僕もじっとしていた。5分ほど
サンドイッチを食べていただろうか。僕が手を動かすと名残惜しそうに飛
び、しばらく僕の周りを飛んでいた。
帰宅後その話を妻にすると、「きっとはなちゃんがお父さんひとりだから、
心配して来たのよ」と言っていた。
はなちゃんは東日本大震災の後、16歳で亡くなった。我が家で家族同様
に育った愛犬だった。僕も何となくそんな気になって「そうだな、あれは
きっとはなちゃんだったんだな」とうれしくなった。
HP「蝶のいる風景」もどうぞ。
ベニヒカゲ
ベニヒカゲ
ベニヒカゲ
ベニヒカゲ
クジャクチョウ
アサギマダラ
サンドイッチを食べるヒメキマダラヒカゲ
湯の丸高原のお花畑