タイワンツバメシジミ 長崎の旅 |
まだ、僕にとっては未見の蝶である。ことしはまだ撮影したことのない
ゴイシツバメシジミとの出会いを期待して熊本に出掛けたが、見事空振
りになっている。
今回は何とかと意気込んだが、これもなかなか手強かった。
仕事のある息子と一緒の旅だったので、9月10日(土)~11日(日)
の一泊二日のあわただしい探索になった。このところ秋雨前線の影響で
梅雨のような天気が続いているが、天気は幸いまずまずだった。
おまけに息子が熊本地震復興支援の”復興割”という旅行を見つけて来た。
9月10日 JAL0605便 羽田発7時40分 長崎着9時35分
9月11日 JAL0616便 長崎発20時30分 羽田着22時10分
往復JALでホテル宿泊がついて18000円という格安旅行である。
国の財政的支援がいかに大変かと改めて感じた。
長崎からレンタカーで平戸島に向かった。タイワンツバメシジミの詳しい
ポイントは分からないが、行けば何とか、という旅でもある。
食草のシバハギ目当てに草原に入ってみる。しかし、雑草が繁茂してなか
なか見つからない。「あった」という息子の声で行ってみるとシバハギの
小群落が見つかった。ともかくここに必ずタイワンツバメシジミがいるは
ずだと確信して、二人で広大な草原を手分けして探した。
間もなく僕のすぐ近くを小さな蝶が飛んだ。「いた!」と思ってあわてて
追いかけたが見失ってしまった。なにしろ深い草の下は大きな石がごろご
ろして足元が危ないのだ。「残念!!!」
タイワンツバメシジミ
しばらく何も見つからなかった。1時間位汗びっしょりになって探し回っ
たがダメだった。すると離れたところにいた息子が「いたよ」と呼んでく
れた。駆け寄ると紛れもなく待望のタイワンツバメシジミ第1号だった。
これを境にタイワンツバメが見つかるようになった。といっても3頭。
午後になるとまた、姿が見えなくなった。1時半ここを切り上げ、隣の生
月島(いくつきしま)に転戦した。近いと思って甘く考え、ちゃんぽんを
食べてから向かったが、平戸島からはかなり遠く、生月島は予想していた
より大きな島で、到着したら3時を回っていた。
ここは「捕獲禁止」の環境省の看板があったのですぐにポイントが分かっ
た。しかし、ここもむつかしいポイントだった。楽勝と思っていたが、い
るのはヤマトシジミ、シルビアシジミばかりで、タイワンツバメシジミは
見つからない。夕方4時過ぎ、やっとボロ1頭を見つけて夢中で撮影した
が、帰宅してよく点検するとツバメシジミだった。
時期がちょっと遅かったこともあるのかもしれないが、ここのポイントは
衰亡の危機にあるのでは?と思えた。
翌日11日、もう一度きのうの平戸島のポイントを訪ねた。9時前から昼
過ぎまで粘ったが、厳しい状況だった。時間によっても活動する時間と活
動が鈍くなる時間があるような気がした。ここも生息環境としてはかなり
厳しいのではないかと実感した。
きっともっと良い発生場所があるのかもしれない、そう願って今回の探索
を終えた。少ないながら未見だったタイワンツバメシジミに出会えたこと
は幸せだった。
HP「蝶のいる風景」もどうぞ。
タイワンツバメシジミ
タイワンツバメシジミ
タイワンツバメシジミ
こちらはツバメシジミ
シルビアシジミ
タイワンツバメシジミ捕獲禁止の看板