クモガタヒョウモン アザミの園で |
ルジオンの草原も満開です」
蝶友からことしもお誘いがあった。蝶友といっ
ても僕の蝶の師匠だ。僕らはお互いにガンの戦
友でもある。
アザミの園は北関東の山地にひっそりと広がっ
ている。こんな美しいアザミの園は他では見た
ことがない。そこに蝶たちが集まって来るのだ。
カラスアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、ウ
スバシロチョウ、ときにはミヤマカラスアゲハ
もやって来ることがある。
蝶友とは毎年GW過ぎにここに来ることにして
いる。アザミの咲き誇る別天地で蝶を観察しな
がらお互い、この一年が無事に過ごせたことを
感謝しあう。かなりシビアなガンの症状を抱え
る戦友同士にしか分からない安堵感と感慨があ
る。
蝶友は特にある部位のガンが転移し、さらにそ
れがリンパ節に転移している。分子標的薬の抗
がん剤を使っていたが、副作用がひどかった。
少し前話題になった年間3500万円(今は半
分に下がった)の免疫療法剤に切り変えたら、
ガンが縮小し、副作用も消えた。今年は海外旅
行に行くという。そんな話をしながら、目だけ
はアザミの花にやって来る蝶の姿を追いかけて
いる。
季節の歩みが今年はおかしく、蝶の数はいつも
より少なかった。少し離れたハルジオンの楽園
に行ってみる。ここにはクモガタヒョウモンが
いた。途中の道沿いの草付きにも飛んでいる。
クモガタヒョウモンはここでは数年前と比べる
と明らかに発生が増えている。要因は分からな
いがうれしいことだ。
途中のツツジには北関東に進出しているナガサ
キアゲハの♀にも出会えた。
ことしも蝶友と会えて良かった。お互いに元気
でいましょう。
HP「蝶のいる風景」もどうぞ。