ウラナミアカシジミ |
黒のゼブラ模様があでやかで美しく、”モンパルナスの女王”
と呼ばれたエコール・ド・パリのキキを勝手に連想したりする
のだ。
6月に多く見られるが、アカシジミより発生は1週間ほど遅い
ようだ。
かってこの蝶は東京でも雑木林があれば見ることが出来たが、
クヌギ林の更新がなくどこも古い木ばかりになって、発生がめ
っきり減ってしまった。
狭山丘陵では古木を伐採してひこばえから新芽を出させると
いう手入れが比較的よく行われており、ウラナミアカシジミも
生息数が多い。
といっても、長い竿を持って採集するのならばいいのだが、写
真となるとそうはいかない。
高いところに止まっている女王さまを見上げて、ため息をつく
のが関の山だ。
梅雨入り目前のある日、千葉市の堤防沿いの小さな林を散策
した。ちょうど、クリの花が満開で匂うような独特な香りにむせそ
うだった。しばらくすると1頭のウラナミアカシジミがひらりと舞い
降りた。ちらりとのぞいたオレンジ色の翅表は宝石のようにまば
ゆかった。