ヒメシロチョウ |
12日に仏壇をきれいに掃除をして、13日の朝、仏壇の前に盆棚を
作った。仏壇から母の写真と位牌を盆棚に移し、そこにキュウリで作
った馬とナスで作った牛を置いた。
盆棚にはお花、お菓子、果物、食事、水などを供えた。
その後、墓参りに行った。
夕方、素焼きの皿に麻がらを並べ、火を炊いた。家の玄関には母の
魂が迷わないように白い提灯を灯した。
母はキュウリの馬に乗ってやって来るのだと言う。
16日には送り火を炊いた。母はナスの牛に乗って立ち去りがた思い
でゆっくりゆっくり帰って行くのだと言う。
新盆を終え、息子が富士山麓に連れて行ってくれた。
お盆の渋滞が心配だったが、気持ちは清澄で清々しかった。
広い草原にヒメシロチョウが舞っていた。
ちらちら、ちらちらと飛び、なかなか止まってはくれない。
その白い小さな蝶の舞を見ていると、母の魂が踊っているように見え
てくるのだった。