ホソオチョウ |
い蝶だった。
1970年代に誰かが放蝶し、それが次第に分布を広げ、あちこち
で見つかるようになった。
初期の頃、東大でこの蝶が見つかって大きな話題になったことが
ある。
本郷の赤門をくぐってまっすぐ行くと東大の本部がある。その左手
はこんもりした森になっており、三四郎池がある。
本部の前の広場にはウマノスズクサが植えられており、今もジャコ
ウアゲハがたくさんいるが、そこがかっこうの繁殖場所になってい
た。
夏の盛り、この広場から三四郎池にかけてはホソオチョウがふわ
ふわといくつも飛び、ウマノスズクサをひっくり返すと幼虫が何匹も
群れを作っていた。
ホソオチョウはやがて東大から姿を消し、日野、上野原、大月など
あちこちから珍蝶発見のニュースが伝わってきたのだった。
この蝶を保護するため、天然記念物に指定しようかという話まで出
る騒ぎもあった。
今はもう日本産の蝶として記載されるようになっている。