シルビアシジミ |
で初演されたが、レオ・ドリーブの音楽がとても印象深い。
わが国でも新国立劇場バレエ団が2012年10月に上演する。
欧米ではSYLVIAというのは人気のある名前でもある。
この蝶はシルビアという洒落た名前を持っているが、これは元国立
がんセンター総長だった中原和郎博士(1896-1976)が米国留
学中に結婚したドロシー夫人との間に生まれた娘さんにちなんでつ
けられた。
シルビアちゃんは生後7か月で夭折したというから、中原博士には
深い思い入れがあったのだろう。
僕が子供の頃、中原博士はガンの権威というより世界の蝶のコレク
ターとしてあこがれの的だった。
シルビアシジミをめぐっては英国人Fentonも忘れてはいけない。
フェントンは東北・北海道を旅行したが、宇都宮まで来た時旅券を忘
れたことに気づき、それを東京まで取りに行ってもらっている間に、退
屈まぎれに鬼怒川の河原で採集、それがシルビアシジミの発見につ
ながったという。1881年のことだ。
磐瀬太郎はそのときのことを「フェントンの奥の細道」と呼んで紹介し
ている。
中原博士がニューヨークでバレエ「シルヴィア」を見たのかどうか、そん
なことも想像してしまう。
