ヒメチャマダラセセリ |
は年来の夢だった。3年前には計画を立て帯広まで行ったが、その時
は天候が悪く断念した。
ともかく遠い。札幌からだと一日がかりの行程だし帯広からでも 車で
2時間半はかかってしまう。ガン夫婦には何とも厳しい旅なのである。
去年の体調は絶不調だったぼくらは、幸い今年は体調が安定している。
行くなら今年しかない、そう思って4月末には航空券も手配した。
ところが今年の北海道は5月というのに異例の暑さが続き、ヒメチャマ
ダラセセリの発生はGW明けにはピークを迎えたという。いつもの年よ
り2週間も季節の歩みが早いのである。
6月1日にアポイ岳に登るというと皆が「もう遅いなあ。止めた方がい
い」という。それでも決行!!
前日、登山口のアポイ山荘に宿泊し、朝7時から登り始めた。天気は
快晴だった。僕と妻は順調に登り始めた。アポイ岳は810メートル、高
尾山程度の山と考えていたが、4合目を過ぎたあたりから急に厳しくな
って、妻の足取りがおぼつかなくなってきた。
ついに妻は7合目でダウン。その後ぼくはひとりで登山を続け、間もな
くお花畑の近くで登山道に止まっていたヒメチャマダラセセリを見つけ
た。それから1時間ほど、4頭のヒメチャと遭遇したが、やはり発生末
期のボロがほとんどだった。
それでも遠くここまで来たかいがあった。見上げると周囲の山の新緑
と青空がまぶしかった。
