ヒサマツミドリシジミ 雨に泣いた遍路道 |
秋も深まって来た。
ヒサマツミドリシジミを探しに阿波の国にやって来た。エメラルドグ
リーンに輝く♂はこの時期はもう見られないが、産卵を控えた♀はま
だまだ元気で、天気の良い日には幸運に恵まれると、吸水に降りて来
て美しい姿を見せてくれるのだ。
2、3日晴天の暖かい日が続いた後が観察には絶好だという。今年の
秋は天気が極端に悪く、雨ばかりの日が続いた。今年は断念かなと思
っていて、それでも天気予報を毎日チェックしていたら、24日(土)
25日(日)が晴れ、26日(月)、27日(火)もまずまずの晴れ
模様という予報が気象庁の10日間天気予報に載っていた。
ここしかないと思ってJALと宿の手配をした。しかし、予定の日が
近づくにつれ、天気は悪い方に変わって行く。土、日は雨だった。そ
れでも予定の月、火は何とか晴れ間がありそう。朝一番のJALに乗
った。搭乗率は5割くらいでガラガラだった。到着した阿波の空港は
水浸しで、朝まで大雨が降ったようだった。
YAHOOの天気予報を見ると、ヒサマツの里の天気は昼ごろから晴
れマークがついている。なんとかなりそうだ。
汽車を乗り継いで、11時過ぎに駅に到着したときは曇り空だった。
タクシーに乗って取り敢えず、ヒサマツが待っている(?)渓谷に向
かうことにした。タクシーの運転手さんが「止められた方がいいです。
大雨警報が出ていて、バスも動いていませんから」という。
ヒサマツのいる渓谷に行って、帰りは1日2本しかないバスで下に下
る積りでいた。バスが動かないと雨の山の中で孤立してしまう。
そのうちものすごい雨が降ってきた。タクシーメーターは3000円
を超えていたが、道路は通行止めになってしまい、そこから先は行け
なくなってしまった。YAHOOの天気予報を見るとまだ晴れマーク
になっている。どうなっているんだ。そのまま今日の宿に向かっても
らった。
少し、雨が小降りになったので宿の周りを散歩した。ヒガンバナがき
れいに咲いており、ボロのアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハが来
ていた。そのうち、地元の蝶友Aさんが「1,2時間ご案内します」
と心配して来てくれた。雲間の切れた海岸の方に連れて行ってくれた。
山は大雨だが、何のことはない、こちらは青空がのぞいていて、セン
ダングサにヤクシマルリシジミ、ツマグロキチョウ、ウラナミシジミ
などが来ていた。

ヤクシマルリシジミ
宿に戻って夕方のテレビの天気予報を見ると、前線が東北の方に上が
って、明日の四国は晴れて暑いという。「よっしゃー」。明日に期待
しよう。
朝起きると、雨はあがっていたが、どんよりとしている。四国のほと
んどは晴れているが、どうもこのヒサマツの山だけは呪われているら
しい。相変わらず大雨注意報が出ていて、バスは運休、道路も通行止
めだという。もうやめだ。
がっくりして山を下り、鳴門まで戻り、大塚国際美術館に行ってみた。
レストランで昼食を摂って、モネの庭を眺めていると、まぶしいくら
いの日差しが降り注ぎ、抜けるような秋の青空が広がっていた。
ヒサマツの里の天気予報を見てみると、大雨注意報が出たままで傘マ
ークが相変わらずしっかりついていた。

ヤクシマルリシジミ

ツマグロキチョウ

産卵するウラナミシジミ

ムラサキシジミ
